May 05, 2006

映画「プロデューサーズ」

01プロデューサーズ 映画「プロデューサーズ」を観に行ってきた。
 久しぶりの映画鑑賞。
 『オペラ座の怪人』『シカゴ』ですら獲ることのできなかったトニー賞12部門、史上最多受賞のブロードウェイ・ミュージカルが完全映画化、ということで、前評判もかなりいいし、友達を誘って期待して観に行った。
 これは本当に面白かった。とにかくおかしくておかしくて笑いが止まらなかった。
 ぼくとしては、ほとんど”カルチャーショック”と言っていいぐらいの破格の面白さと爽快感で、文句なく最高のエンターテイメント映画である。

 以下、まずはいつものように(といっても本当に久しぶりなレビューだけど)簡単な映画紹介。

(パンフより、あらすじ抜粋)
 ”最低のミュージカルこそ、最高のチャンスだ”
 一晩で大コケする史上最低なミュージカルをつくり、その製作費200万ドルを持ち逃げしようと企む落ち目のプロデューサー・
マックスと、小心者の会計士・レオ。ある日、マックスの帳簿を調べにやってきたレオが、〈出資者から製作費をあつめる → 
一晩でショーがこける → 出資者に配当金を払わなくてすむ → プロデューサーが儲かる〉という失敗作で大儲けする方法を
発見したことから彼らの利害は一致。マックスは大金を、レオはプロデューサーになる夢を実現するため、「最低の脚本」
「最低の演出家」「最低の出演者」を集めるが・・・。
 ”最低”をプロデュースするため奮闘する彼らのお仕事ぶりを、ショービジネス界の裏側もふんだんにちりばめて描く
極上のエンターテイメント。

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 かつてブロードウェイの王様と謳われた大物演劇プロデューサーマックス・ビアリストック(ネイサン・レイン)、ブロードウェイのプロデューサーを夢見る会計士レオ・ブルーム(マシュー・ブロデリック)、の主役二人を始め、史上最低の脚本『春の日のヒトラー』を書いた、鳩と暮らすナチス信奉者のドイツ移民、フランツ・リープキン(ウィル・フェレル)、史上最低の演出家として選ばれるゲイのロジャー・デ・プリー(ゲイリー・ビーチ)、そのアシスタントのカルメン(ロジャー・バート)、二人のアパートにキャスティングにやって来たというセクシーなスウェーデン娘ウーラ(ユマ・サーマン)、などの脇役陣も、本当に魅力的でおかしくて、素敵である。

03プロデューサーズ とにかく物語としては、おそろしく馬鹿バカしい。
 その”おそろしく”馬鹿バカしい加減が、あまりにも度を越しているので、これがコメディといっていいのかなんなのか、最後のほうではよくわからなくなるぐらいだった。物語が進めば進むほど、その馬鹿バカしさがどんどんエスカレートしていく。

 底ぬけの馬鹿バカしさ。
 にもかかわらず、この物語がこんなにも爽快で昂揚感に満ちた楽しい気持ちにさせてくれるのは、そのバカさ加減の徹底ぶりと同時に、きらびやかで洗練された曲や歌やダンス、その舞台セットや演出や照明のゴージャスさを含め、ブロードウェイ・ショービジネスの楽しさや素晴らしさを豪華に、あますことなく見せてくれるところであり、1959年のブロードウェイを再現した街やポスター、看板、その細部へのこだわりなど、費やされている労力やこだわりもまた徹底しているからである。お客を最終的には感動にまで持っていく、そのポイントもしっかりとおさえている。いい意味で、なにもかもが度を越しているという感じで、そこまでやるか、という感じがまたおかしい。

04プロデューサーズ この作品を見ていると、これがまさしくアメリカの「ショービジネス」の最高峰なのだ、と妙に納得させられる。
 いかに客を楽しませるか、という部分では、とにかく徹底しているし、その見せ方も洗練され、徹底されている。
 それはつまりこれがショーだからであり、ショーとはビジネスだからであり、ビジネスとは、資本を投下し利潤を回収するものだからである、ということだし、
ショービジネスとは、言ってみればアメリカン・ドリームを文字通り体現したもの、”夢を売る商売”なのだ、ということでもある。

プロデューサーズ 同時にこの映画ではいろいろな意味でパロディをうまく使いながら、ブロードウェイや、ショービジネスそのものをちょっと、一歩引いた地点から見た上で、あえてそこに乗っかっていくというような熱狂とわくわくするような楽しさがあって、そのものすごくバカバカしい内容の中には、まさに王道を行くような夢が満ち溢れている。落ちぶれたプロデューサー、無名の会計士が、一気にスターダムを駆け上がり、夢と、途方もない成功と、富と名声を手にするというこの物語自体が、アメリカン・ドリームそのものである。
 自分も成功できるかも知れない、という可能性に対する、浮き立つような高揚感と明るい希望がそこにはある。
 マックスとレオとの友情や、ゲイの演出家やその助手、ナチス信奉者の脚本家や、お色気スウェーデン娘や、マックスを慕う老婦人たち、などなど、登場人物たちそれぞれの関係も、おかしく、壮大に馬鹿バカしく、微笑ましく、優しい。
 やがて「安心毛布」を手放せるようになるレオの成長や、友人の裏切り、再開、夢の達成、など、時に人生の悲哀や、生きることの楽しさ、温かさなどを感じさせてくれる。
02プロデューサーズ 見終わった後には、幸福な余韻が残る。
 エンドロールが流れる時には、なんだか本当にいい舞台の幕切れみたいに、思わず拍手喝采したくなった。
 というのは僕だけではないと思う。一緒に観に行った友達もやはりそうだったみたいである。

 物語をこういう形で描き、こんなにもバカバカしいと同時に、こんなにも楽しく爽快で幸せな気持ちにさせてくれるというのは、本当にもうすごいとしか言いようない。
 凡百の真面目で重いドラマなんかより、よほど人生に対するパワーを持っている。元気と生きる力を与えてくれる。
 素晴らしい作品だと思う。
 おおげさではなく、ほんとうに、僕にとってはまさにカルチャーショックだった。
 びっくり感動した。
 とにかく見れて良かったな、と思う。

 ところでユマ・サーマン、本当に美しくて、色っぽくて、ゴージャスで、魅力的で、良かったですね。

 まだ見てない方、是非、映画館で見てみてください。

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■ 映画「プロデューサーズ」関連


プロデューサーズ サントラ 

プロデューサーズ サントラCD

1-1(43) 序曲
1-2(1:46) オープニング・ナイト
1-3(3:57) ウィ・キャン・ドゥ・イット
1-4(6:14) アイ・ワナ・ビー・ア・プロデューサー
1-5(1:57) グーテンタグ・ホップ=クロップ
1-6(5:51) キープ・イット・ゲイ
1-7(3:09) あたしのお宝を見せちゃうわ
1-8(3:51) ビアリィのおかげ
1-9(4:15) ザット・フェイス
1-10(1:19) ドイツ・バンドを聴いたことがあるかい?
1-11(1:34) ネヴァー・セイ・グッドラック・オン・オープニング・ナイト
1-12(3:40) 春の日のヒトラー・パート1
1-13(52) ハイル我輩
1-14(3:00) 春の日のヒトラー・パート2
1-15(1:10) ハピネス・イン・リオ
1-16(4:26) 裏切られて
1-17(3:10) ティル・ヒム
1-18(2:16) プリズナーズ・オブ・ラヴ(ブロードウェー版)
1-19(1:26) プリズナーズ・オブ・ラヴ(レオとマックス版)
1-20(3:41) ナッシング・ライク・ア・ショウ・オン・ブロードウェー
1-21(3:34) ホップ=クロップは続く
1-22(35) グッドバイ!
1-23(4:38) キング・オブ・ブロードウェー

2,520円(税込)

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1. プロデューサーズ  [ 明日は明日の風が吹く♪ ]   May 05, 2006 12:05
今日はGWらしく映画を観てきました[:ラッキー:] スーザー・ストローマン監督の【プロデューサーズ】[:王冠:] 舞台は1959年のニューヨーク。 落ち目の演劇プロデューサー・マックス(ネイサン・レイン)は会計士のレオ(マシュー・ブロデリック)からショウ・ビジネ...
2. プロデューサーズ  [ RubyBlack Weblog ]   May 05, 2006 12:47
見に行ってきました。 もともと私はミュージカル大好きなので、2時間たっぷり楽しませていただきました。残念ながら私は舞台の方を見たことがないんだけど、映画を見るにあたってはそれがかえってよかったんじゃないかと。先入観も多大な期待もなく見ることができたので。 ...
3. プロデューサーズ  [ Realize ]   May 05, 2006 17:11
久々に映画を観てきたよ。 映画の日の割引で混んでるかと思ったけど、 公開してから日が経ってるからか、わりと空いててよかった。(^-^) 【プロデューサーズ】はブロードウェイのミュージカルなんだ。 昨年だったかな?V6の井ノ原快彦さんと長野博さんが舞台をされてい...
4. 映画「プロデューサーズ」  [ みどりのアート鑑賞日記 ]   May 06, 2006 12:50
映画「プロデューサーズ」@ヴァージンTOHOシネマズ 六本木ヒルズ 監督:スーザン・ストローマン 脚本:メル・ブルックス、トーマス・ミーハン 4月12日(水)観に行ってます。 アメリカで、ロングランヒットしてるミュージカルの映画化。 私は観に行きませんでしたが...
5. プロデューサーズ  [ Take it Easy ]   May 08, 2006 21:41
会計士のレオ・ブルーム(マシュー・ブロデリック)は、マックスの帳簿を調べているうちに、あることに気づく。 それは…、 出資者から金を集める→ショウがコケる→出資者に配当を払わずに済む→プロデューサーが儲かる っというショウビズ界の奇妙なカラクリだった。

この記事へのコメント

1. Posted by 花梨   May 05, 2006 11:56
5 はじめまして!
TBありがとうございます(^^)
本当によかったですよね〜♪

幸せな気持ちになりました(*^^*)
2. Posted by ヒデちゃん   May 05, 2006 16:56
花梨さん、こんにちわ。
そうですね。劇場を出た後、とってもハッピーな気分でした。
もう一回観に行こうかどうしようか、自分と相談してるとこです。
3. Posted by みーこ   May 05, 2006 17:23
ヒデちゃんさん、はじめまして。
TBありがとうございます。
こちらからもTBさせていただきました。m(__)m

本当に素敵な作品ですね。
でもなぜ観客は舞台だと拍手するのに
映画だとしないのでしょうね?
何度も拍手したい衝動に駆られながらも
周りの静かさに感動を表現できない小心者でした。(;^_^A
拍手をしかけた手の行き場が……(笑)
4. Posted by ヒデちゃん   May 06, 2006 09:04
みーこさん、こんにちわ。
たしかに映画ではいくら素晴らしくても拍手ってしないですね。舞台のようなライブなものと違って、拍手を受けてくれる俳優や歌手がその場にいないから、ですかね。
でも誰か一人が拍手を始めれば、たとえ映画でもまわりもつられて拍手するかも知れません。最初に拍手するのって、なかなか勇気がいりますよね。
「プロデューサーズ」は、ぼくも拍手喝采を送りたかったけど、やっぱり出来ませんでした。
それにしても、いい作品でしたね。
5. Posted by みどり   May 06, 2006 12:54
こんにちは、TBありがとうございました。
私は残念ながらこの映画があまり楽しめなかったのですが、演出はゴージャスでしたね。「春の日のヒットラー」はばかばかしいながらも全編観てみたい、と思いました。こちらからもTBさせていただきますね。
6. Posted by ヒデちゃん   May 07, 2006 19:23
みどりさん、こんにちわ。
そうですか、あまり楽しめませんでしたか。
でもそういう人だって当然いると思います。
自分の肌に合う合わないというのは、どんな作品でもそうですよね。自分の恋人が大絶賛した映画があまりにもつまらなくて、結構気まずいムードになったり、友人とムキになっていろいろ言いあったりとか、よくあります。
「春の日のヒトラー」
ゲイのヒトラーと永遠の愛人エヴァー・ブラウンがどのような愛を奏でるのか、是非見てみたかったです。

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