February 23, 2006

中途・新入社員。欲望についてのささやかな考察。

 来月の1日から、うちの会社の総務部に新しく、24歳の男の子が入ることになった。新しく、だが中途採用である。社長と僕と二人で面接をした。
 僕の直属の後輩、ということになる。
 ずっと人手不足で残業に追われていたのだが、これで少しは楽になるかも知れない。早く帰ってゆっくり本を読んだり、夜な夜な映画に出かけて行ったりも出来るようになるかも知れない。
 とにかく、新しい仲間が増えるということはいいことだ。

 しかし24といえば、僕が会社に入った年である。そして生まれて初めて真剣に、演技者として「芝居」をやった年である。あれからもう十年近くがたった。

 ところでここ最近僕は、時々「欲望」について思いを巡らせる。
 僕自身の欲望について。広く一般的な欲望について。
 ありふれた欲望について。特殊な欲望について。特殊な状況下での欲望について。若者の欲望について。老人の欲望について。

 結局すべての文学も、芝居も、映画も、音楽も、すべては人の欲望について語っているように思う。欲望について語っていないとしても、欲望なしには物語は考えられない。

 そしてそう考えると、人間とはつまり欲望なんだ、と思う。
 だから欲望について真摯に向き合い語っていない作品は、つまり人間の根本的な部分と向き合っていないということになり、真の文学や芸術にはなりえないのではないか、という気がする。

 僕という人間をここまで、このような地点まで運んできたのも、やはり欲望であった。自分の欲望について考えながら、僕はガープと、ガープの母のウィーンでの生活のことを考え、アンナとヴロンスキーの互い対する欲望について考え、ブランシュのストリックランドとの関係について考える。そして自分がこれまで好きになった何人かの女の子たちのことを考える。
 欲望とは、いったい本当のところなんなのだろう?
 そこに身を任せるべきなのか、それとも我慢して抑圧すべきなのか?
 その欲望が、自分そのものであるといった場合には、それを押し殺すことは自分自身を殺してしまうことではないか?
 かくも犠牲というのは尊ばれるべきなのか?
 そもそも欲望とは、いったいなんなのだろう。

 書き出すとちょっと長くなりそうなので、小出しに連載しながら自分でもゆっくりと考えてみたいような問題である。
 問題となるテーマは、

 「人は、”何かが美しく良い物だからそれを欲する”のではなく、”それを欲するから何かは美しく良いものとなるのか?”」である。

 うーん。なんだか哲学っぽいですね。

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jailz at 21:38│Comments(0)TrackBack(0)日記 

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