February 18, 2006

東京の友人

 僕の東京の専門学校時代の友人が、DVDを送ってくれた。
 BSで放映された三谷幸喜の「12人の優しい日本人」の舞台中継と、正月に放映された古畑任三郎の「ラスト・ダンス」の二本を録画したものである。
 何の連絡もなく送ってくれたのでちょっとびっくりしたが、とりあえず嬉しかった。

 「12人の優しい日本人」は前にレンタルDVDで映画版を見たことがあるのだが、こっちの舞台中継の方がはるかに面白い。
 三十分ほど見てから、友人にお礼の電話をした。
 彼は漫画家で、現在4月(か5月)に完成予定の読み切りの原稿のペン入れに追われている。
 原稿が上がったら、二人でどこか温泉旅行にでも行こうかと話をした。
 彼とはだいたい一年に一度、東京で飲む。だいたいは、僕が何か芝居を見に行ったような折に。

 十八で知り合って、今だにそういう関係にあるのは、彼だけである。
 あの頃には、たくさんの友人や仲間や遊び友達がいたような気がしていたが、結局十年以上たっても続いている関係というのは、彼だけだ。
 当時は僕も真剣に漫画家を目指していて、そのために東京へ出たのだが、僕の夢が21歳で挫折したのに対し、彼は今でもせっせと漫画を書き続けている。

 プロとして成功した、というレベルには残念ながらまだ達してはいないものの、講談社から単行本が5巻まで出しているし、一応の成果は見た。漫画家の世界というのはやはり厳しいもので、ここ最近は連載の仕事はないが、それでも今もあの頃と変わらず、同じ夢をコツコツと追い続け、原稿に向かい続けている彼を、僕は尊敬している。

 彼がただひたすら机にかじりついて自分の夢に忠実であったこの十数年、僕のほうには紆余曲折、いろいろなことがあった。
 何度か転職し、何人かの女の子と交際し、不定期に芝居の舞台に立ち、家を建て、結婚し、離婚した。
 そして今も、相変わらず魂の定まらない生活を続け、自分自身や人生について、模索しつづけている。
 
 様々な経験の一つ一つが生産的な積み重ねであったと言い切れないところが辛いところである。いったい俺の人生というのはなんなのだろう、と時々自分で不思議に思ったりする。
 まあたいした人生ではないかも知れないが、そしてたいした災厄にも成功にも見舞われたわけでもないが、それでも最近時々、自分の名前を「波乱万丈」と改名してみようかと馬鹿なことを考えてみたりする。結局のところ、いつまでたっても落ち着けないのが僕のようだ。
 そういえば昔そういう名前の、ロボットアニメのヒーローがいたな。
 「ダイターン3」だったかな。
 
 まあそれはともかく。

 彼が脱稿したら、とりあえず二人でどこかのんびりと旅行にでも行こう。
 考えてみると今まで二人で旅行したことなんて一度もないし、一年に一度、東京で終電を気にしながら飲むよりは、どこか近場の温泉にでも行って、熱目の湯にはしゃぎ、ゆっくりと凝りをほぐして、それから風呂上りの風に吹かれて海を眺め、心おきなく飲んで、羽を伸ばすというのも悪くない。
 
 さて、彼が原稿に向かい続けている間、こっちはこっちで頑張らなくては。

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jailz at 22:53│Comments(0)TrackBack(0)日記 

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