January 2006

January 31, 2006

ジョン・アーヴィング「ガープの世界」

 ジェーン・オースティンの「自負と偏見」を読み終えたあと、続けて僕はジョン・アーヴィングの「ガープの世界」をここ何日かずっと読み返していた。これも僕の昔からの愛読書で、通して読むのはこれで四度目ぐらいになる。

「ガープ」は新潮文庫で、上下巻。
 現在下巻の290ページ目で、残すところあと約200ページ。
 繰り返し読む本にもかかわらず、読み終えてしまうのがなんだかもったいないぐらい面白い。

 十年ぐらい前に「ガープ」でアーヴィングと出会って以来、僕は彼の大ファンになった。こんなに面白い作家がいたのかと、唖然とするぐらいびっくりした。「ホテル・ニューハンプシャー」を読んでますます彼の魅力に取り憑かれ、「サーカスの息子」「オーエンのために祈りを」「未亡人の一年」の順で読んだ後、彼の長編デビュー作である「熊を放つ」を読んだ。そして「サイダーハウス・ルール」、「第四の手」、短編集「ピギー・スニードを救う話」。
 日本であと出版されているのは「ウォーターメソッドマン」、「158ポンドの結婚」だが、こちらはなんとなく今まで機会がなくて、(それに田舎の書店に置いてあるような本ではないので)、読まずに来てしまった。
 でも「ガープ」でまたアーヴィング熱に火がついてしまったから、今年中にはなんとか読みたいものだと思っている。

 時間があれば細かく「ガープ」の感想や、ジョン・アーヴィングのことについて書いてみたいところだが、本があまりにも素晴らしいので、なんと書いていいか、どのように感動を言葉にまとめればいいのか、今はちょっとよくわからない。
 映画でも本でも、あんまり自分が感心してしまい、圧倒されてしまうと、何も言葉が出なくなってしまう。
 もし本気でじっくりと腰を落ち着けて、自分の考えをまとめようとすれば、書き上げるのに3日ぐらいは軽くかかりそうである。

 ということで、何も具体的に参考にならない紹介だけど、「ガープの世界」、良かったら是非読んで見てください。
 機会があれば、また詳しくレビューを書きたいと思います。

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January 30, 2006

「ファイナルファンタジーXII」を注文する

 3/16日発売の「ファイナルファンタジーXII」を、今日注文した。
 ここ最近はほとんどゲームはやらないのだが、これだけはやっておこうかな、と前から考えていた。僕としては、「X」がとにかく面白かったので。
 この間店頭でXIIのデモを見たら、なかなか面白そうだった。

 たぶん2月もほとんど休みなく仕事だろうし、3/16の木曜日、朝七時に近くのセブンイレブンで商品を受け取った後、その日と次の日思い切って有給を取り、日曜日までの四日間、しっぽりとFFXIIをやる・・・というのもなかなか楽しそうである。たまにはそういう骨休めも悪くない。

うむ。あと約一月半。FFXII、ノンストップ4日間プレイを楽しみに、仕事頑張ろう。

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January 29, 2006

映画「フライトプラン」

01フライトプラン 1月28日公開の映画「フライトプラン」を見に行った。
 全米公開3日前で2460万ドルの興行収入を記録、2週連続で第1位の座をキープした密室サスペンス。

02フライトプラン「彼女は航空機設計士。そして一人の母。
高度1万メートルの上空で、幼い娘が失踪した・・・」

【キャスト&スタッフ 】
監督: ロベルト・シュヴェンケ
脚本: ピーター・A・ダウリング ビリー・レイ
音楽: ジェームズ・ホーナー
出演: ジョディ・フォスター ショーン・ビーン ピーター・サースガード エリカ・クリステンセン ケイト・ビーハン マイケル・アービー アサフ・コーエン マーリーン・ローストン

03フライトプラン映画「フライトプラン」公式サイト
http://www.movies.co.jp/flight-p/

ジョディ・フォスター インタビュー(goo 映画)
http://movie.goo.ne.jp/special/flightplan/index.html

 それなりに楽しむことは出来たのだが、最新型ハイテク重層ジャンボジェットで起こる六歳の少女の誘拐事件、しかもその娘のことを、400数十名の乗客、及び乗務員たちがまったく見ていない、という設定にはかなり無理はある。
 その無理な設定が、ドラマの謎を実際以上に盛り上げている、と言えるだろう。

 このへんに目をつぶることが出来れば、全体的にサスペンスとしてはそれなりにまとまってはいる。途中のどんでん返しと結末も、ちょっと都合が良すぎるようには思うが。
 しかし落ちさえわかればあとはどうということもないので、そういう意味で全体的に、『シックス・センス』の時と同じような感触が残る。

04フライトプラン ただ僕としては、子供がいないことに気づいたジョディ・フォスターが、狂気じみた捜索を続けるシーンが、ちょっと長すぎたように感じた。
 確かに命がけで子供を守ろうとする母親としての気持ちはわかるが、あそこまでやると、事件とはまったく関係のない他のお客さんたちにあまりにも迷惑だし、気の毒である。彼女と一緒に乗り合わせた人たちは、たまったものではない。
 自分の子供も大事だが、400数十名の他の乗客のことも、もう少し思いやりをもって接して欲しい。

05フライトプラン とにかくジョディにあそこまでさせずに、もう少し早めに次の展開に行って欲しかったというのが僕の感想である。
 といっても、真相がわかってしまえさえすれば、後はそれほどやることもないので、ストーリー的に無理なことかも知れないが。

 いろいろと、評価の別れる映画だと思う。
 ジョディ・フォスターの熱演は、見事でした。

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January 27, 2006

ここ数日の、書斎での過ごし方

 「プライドと偏見」の公式HPを開くと、映画の美しいピアノのBGMが流れてくる。
 このサイトを閉じない限り、パソコンで別の作業をしていても、エンドレスで曲が流れ続ける。
 そういうわけで最近僕は、書斎でいろいろと書き物をしたり、作業をしたりしながら、気が向くとこのページを開き、延々と曲を流し続けていた。
 そんなに長いフレーズというわけではないが、途中でちょっとした変化もあるし、しばらくの間BGMとして聞いている分には問題はない。もちろん本当はサントラが欲しいところなのだが、とりあえず来月でもいいかな、と我慢している。

 しかし映画の感動と余韻がまだありありと残っている僕としては、これはこれで結構、気分のいいものだ。
 穏やかで美しいピアノの音色を聞いていると、なんとなく心が落ち着いて和む。

 ところで、どうも風邪を引いてしまったようだ。
 まわりで流行っているから、ついに僕ももらってしまったようである。
 咳がとまらないし、あまりにひどいので、午後は会社を早退した。
 午後中ずっと寝ていて、夕方起きた。
 多少はよくなったとは思う。明日が休みの日でよかった。
 とにかく夜更かししていないで、早く寝よう。

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自負と偏見

イギリスの田舎町、五人姉妹のベネット家の隣に、青年紳士ビングリーが引越して来る。温和で美しい長女ジェーンと才気溢れる次女エリザベス、そして快活なビングリーとその親友で気難し屋のダーシー。ところが、エリザベスが高慢で鼻持ちならぬ男と考えていたダーシーが、実は誠実で賢明な紳士だと判った時…。二組の恋の行方と日常を鋭い観察眼とユーモアで見事に描写した名作。

映画『キング・コング』オリジナル・サウンドトラック

映画『プライドと偏見』オリジナル・サウンドトラック


音楽は「In The World」でベルリン映画祭金熊賞を受賞した実力派ダリオ・マリアネッリ。そしてピアノを担当しているのがフランスの貴公子ピアニスト、ジャン=イヴ・ティボーデ。
『ピアノ・レッスン』を髣髴とさせる美しいスコアが展開されます。



January 25, 2006

「プライドと偏見」のこと・その2 原作を読み返す

13プライドと偏見 この間、映画「プライドと偏見」を見て以来、再び原作を読み返している。

 僕が持っている新潮文庫版の「自負と偏見」は、最後の中野好夫氏の解説まで入れると、全606頁。
 かなりの分量だし、通して読み返すとなるとなかなか勇気がいるのだが、映画を見たせいで、どうしても読み返さずにはいられなくなった。
 途中まで読んでその後いっこうに進まないマイクル・クライトンの「恐怖の存在」は横に置き、今は毎日少しずつ、結構新鮮な気持ちで、楽しみながら読み返している。
 モームも言っているように、いくら読んでもこれといってたいした事件は何も起こらないのだが、一度ページをくるとたちまち引き込まれ、するすると、どんどん読み進んでしまう。
 本当に面白い。

 読み返していて思うのは、映画版が、自分が考えていた以上にかなり原作に忠実だったことである。
 もちろん映画と小説は別物なので、その面白さの質は違うが、少なくともストーリーやテーマ、エピソードといった面では、驚くほどそのままである。下手な改変や大幅なカットもなければ、でしゃばったつけ足しもない。

 一般的に、小説を映画化する場合、ストーリーやエピソードや、重要な登場人物まで、割愛されてしまうことが結構多い。ひどい時には、根本的なテーマまで、変わってしまう場合もある。絶対死んではいけないはずの人が途中で死んだり、いなかったはずの子供が勝手に生まれていることもある。

 僕が昔一番ひどいと思ったのはヴィヴィアン・リー主演の「アンナ・カレーニナ」だった。
 マイクル・クライトンの「ジュラシック・パーク」にもがっかりした。「アルジャーノンに花束を(邦題『まごころを君に』」も今一歩だった。どれも原作に思い入れがあるだけに、自分がもっとも感動したはずのポイントをないがしろにされると、やはりがっかりした気持ちになってしまう。

 しかしそれはそれとして、考えてみると、ジェーン・オースティンの作品というのは、もしかしたら映画化しやすいのかな、とここのところ思う。同じ長編小説でも、マイクル・クライトンや、トルストイや、あるいはジョン・アーヴィングの小説なんかだと、これでもかというぐらい次々に事件や展開があって、人も大勢あらわれる。映画という2時間から3時間の尺に詰め込むには、たしかに大変そうである。それに対して、ジェーン・オースティンのそれはまったく逆で、これといった展開や事件が少ない分、一つ一つをじっくりと、丁寧に描ける、という点で、映画の時間枠にはめ込みやすいのかも知れない。
 
 そういえば、ケイト・ウィンスレット主演の「いつか晴れた日に(ジェーン・オースティン原作『分別と多感』」もなかなか良かった。

 
 今回この「プライドと偏見」の映画を見た後で、あらためて原作を読み返してみると、映画では語られなかったそれぞれの事情や心理、その背景、因果関係などが細かくわかるし、ジェーン・オースティンが物語を通して物事をどのような
目で見ているか、それぞれの登場人物についてどう考えているか、その鋭い描写も、大きな楽しみの一つである。

05プライドと偏見 たとえば例の牧師、ミスター・コリンズ氏のことを、オースティンは次のように描写している。

「ミスター・コリンズは、あまり頭のいい男ではなかった。しかもその生来の欠陥が、教育によっても、ほとんど補われていなかった。彼の生涯の大半は、無学でケチな父親の膝下ですごされ、また大学にも通ったことはあるが、それすらただ規定の年限を在学したというだけで、益友をつくるなどということは、いっさいしなかった。父親の下で、ただ盲従だけを強いられて育ったために、はじめは妙に卑屈な態度になっていたが、その後それは、バカが独居することからくる自惚れと、若くして思わぬ成金になったことからする妙に尊大ぶった気持ちとに、大きく変わっていた」(新潮文庫『自負と偏見』P111頁より)

 原作のコリンズが「背の高い」でくのぼうであるのとは逆に、映画のコリンズはかなり小男だが、一連のちょっと気違いじみた言動、頭の悪さ、感じの悪さ、自惚れの強さ、というのは、映画でもとても良く出ている。

 それから僕の好きなのは、シャーロット・ルーカスが、エリザベスに自分とコリンズとの婚約を打ち明けるシーンである。
 小説でも映画でも、このシーンはいろいろと考えさせられる、ちょっと物哀しくもあるいい場面だ。
 シャーロットから婚約のことを聞かされて、エリザベスはびっくり仰天する。
 なんであんな男と?
 しかもつい3、4日前に、自分にプロポーズしたばかりだというのに。


 そんなエリザベスに対して、シャーロットは次のように言う。

 私は別に、結婚出来さえすればそれでいい。
 私にはロマンスなんて贅沢なの。

 私は不器量だし、財産もない。
 このチャンスを逃したら、私はこの先一生結婚できないかも知れない。いい縁があるとも思えない。
 そしてコリンズさんにはそれなりの財産も地位もある。

 私は別にロマンスなんて望んでいないの。
 結婚できて、安定した暮らしがあって、自分の家庭が持てて、それだけで十分だわ。


 エリザベスには、ただ世俗的な利害だけを考え、その他の気持ちなどいっさい犠牲にして結婚しようとしているシャーロットの行動が信じられない。そもそも愛情のない結婚など、まったく考えられないのがエリザベスである。

 しかし確かにエリザベスの言うことも正論だが、シャーロットの言うことも間違ってはいない。
 現実的な意味合いにおいて、シャーロットの言うことは正しい。
 あてのないロマンスをただ夢見ていても、それだけでは生きていけない。
 人生とは、そんなに甘くはない。

 僕はこのシーンがとても好きだ。
 二人の生き方は非常に対象的だが、どちらの気持ちもわかる。
 そしてシャーロットの選んだ生き方には、現実を厳しく生きようとする強さと、潔さと、たくましさが感じられる。
 もちろんシャーロットは、じゅうぶん納得づくで、そのような道を自分で選んだのだ。
 映画ではあまり多くは語られないが、原作では彼女は、「今回の結婚が自分にとって何か幸福を約束してくれるように思う。この結婚が、ほかの人の結婚に負けるとは思わないの」と言う。
 エリザベスは、そのために犠牲にされるもののことを思う。
 そして結婚とは果たしてなんだろうかと考える。
 シャーロットの心の痛みについて考え、自分自身の痛みについて考える。
 「プライドと偏見」の名シーンの一つであると思う。


 とりあえず、現在198ページ目。
 エリザベスがウィッカム君にどんどん惹かれ、ミスター・ビングリー氏がジェーンをおいて、ロンドンへと発ってしまったところです。

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自負と偏見

イギリスの田舎町、五人姉妹のベネット家の隣に、青年紳士ビングリーが引越して来る。温和で美しい長女ジェーンと才気溢れる次女エリザベス、そして快活なビングリーとその親友で気難し屋のダーシー。ところが、エリザベスが高慢で鼻持ちならぬ男と考えていたダーシーが、実は誠実で賢明な紳士だと判った時…。二組の恋の行方と日常を鋭い観察眼とユーモアで見事に描写した名作。

映画『キング・コング』オリジナル・サウンドトラック

映画『プライドと偏見』オリジナル・サウンドトラック


音楽は「In The World」でベルリン映画祭金熊賞を受賞した実力派ダリオ・マリアネッリ。そしてピアノを担当しているのがフランスの貴公子ピアニスト、ジャン=イヴ・ティボーデ。
『ピアノ・レッスン』を髣髴とさせる美しいスコアが展開されます。



January 24, 2006

美しい夜空

 今日も残業で、帰ってきたのは九時過ぎだった。
 いつもと変わり映えのない一日。また一日が終わり、夜が来た。
 簡単な夕飯を食べ、ビールを飲み、風呂に入って、ビールを飲む。
 そして日記を書き、気が向けばブログを更新する。
 それで今日一日も終わり。

 そんなことを考えながら、家に着き、車から降りると、ふと見上げた夜空のあまりの美しさに呆然とした。
 満天の星、というとなんだか言い方が陳腐だが、そんな感じだった。
 なんて数の星だろう、と思いながら、しばらくの間、僕は星を見上げていた。
 大量にばらまかれた星々の中に、くっきりとオリオン座が見える。そのほかの星座のことは、残念ながら僕にはよくわからない。
 じっと星を見ていると、その向こうの、広大な広がりと奥行きを感じ取ることが出来た。
 宇宙は広い。

 月は出ていなかったが、目が慣れてくると、星の明るさだけで十分周囲の景色がくっきりと見えるようになった。
 こんなにたくさんの星空を見るのは、ずいぶん久しぶりだ。おそろしい数の星だった。

 たとえ僕が今いなくなっても、世界はただひたすら、営々と回り続ける。
 当たり前のことだけれど、星を見上げながら、そんな気持ちになった。
 「砂漠だけが生きてるんだ」というディズニー映画かなにかの一説を思い出した。人も、虫も、動物も、みんな死ぬ。本当に生きているのは、砂漠だけなんだ。

 別にセンチメンタルになっているわけではなく、そして別に僕自身がいなくなろうと思っているわけではなく、ただそういう当たり前のことを、時にははっきりと自覚することが大切なことのように思えた。
 なんとなく、そんな気がした。
 
 こんな風に、一人で夜空を見上げるのは何年ぶりだろう。
 今日一日の、少しだけ良かった出来事。

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 ヒデのホームページ



January 23, 2006

何もやる気の起きない一日

 朝からなんとなく気持ちが乗らない。
 なにをやっても面白くないし、ただひたすら、無感動に目の前の仕事を処理する。
 何を考えても、悲観的な見解になる。悲しいことばかりが思い浮かぶ。

 今まで気を張って、なんとか前向きに頑張ろうとやってはきたけれど、一度こういう気持ちになるとずるずると落ち込む一方である。なに一つましなことは考えられない。明るい展望も思い描けない。こんなふうにろくでもなく、このまま年をとっていくんだろうか俺は、と考えたりする。
 やれやれ、困ったものだ。

 まあそういう日もあるだろう。人生いい日ばかりではない。
 そう思って、なんとか自分をやり過ごすことにする。
 さて、「自負と偏見」の続きでも読んで、今日はもう寝るとしよう。

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(ヒデの書斎近影)
書斎近影

January 22, 2006

映画「プライドと偏見」、原作とジェーン・オースティンのこと

01プライドと偏見 1月14日に公開になった映画「プライドと偏見」を観に行ってきた。
 僕にしてはめずらしく、夜の回をわざわざ観に行ったのだが、期待を裏切らずとてもいい映画だった。

 この映画の原作、ジェーン・オースティンの「プライドと偏見(「自負と偏見」または「高慢と偏見」)」は、ずいぶん昔から、僕の愛読書の一つである。
 今まで何度も何度も読み返している本、しかも長編小説となると、そう多くはないのだが、その中でも間違いなくトップクラスの面白さである。
 特別ストーリーがどうの、展開がどうの、謎がどうの、という物語ではないが、何かの折にふと読み返したくなる、ページをくりたくなる。ジェーン・オースティンの優れた人間観察と、きちんと描き分けられた登場人物たち、人々の交流や、それぞれが持つ欠点、その思いの錯綜が、読んでいて心地いい。読みながらいろいろなことを考えさせられるし、読み終わった時には、本当に充実した読書を楽しめたという実感がある。

02プライドと偏見 さて、映画はというと、時間的な制約上、たしかに原作のダイジェスト版という感じで、原作が持つなんとも言えない魅力と味わい、ていねいで細かな日常生活の描写や人々の心の機微、そこから生まれる会話の絶妙さ、、毒とユーモア、心の葛藤や煩悶、そういったものの小説ならではの細部への書き込みによる魅力は、かなりの部分刈り込まれているものの、原作の良さや雰囲気を忠実に、正統的にきちんと汲み取り、すっきりとしたいい映画に仕上がっていると思う。
 このあたりの、デボラ・モガーの脚色は、実に見事である。

 また、映画全編にわたるイギリスの大自然や風景、18世紀の豪奢な屋敷と調度類、庭園なども本当に美しい。
 なによりも素晴らしいのは主演のキーラ・ナイトレイで、原作の雰囲気そのままに、聡明で凜とした美しさ、知的で自立心にあふれた、生き生きとして爽快な、素敵なエリザベスを演じている。
04プライドと偏見 エリザベスが体験する心の揺れとその振幅、やがて自分の過ちや、自分自身の本当の気持ちに気づき、一人の男性と結ばれていく過程、このあたりの演じぶりは、女優としても本当に見事だと思う。
 音楽は、ベルリン映画祭で金熊賞に輝いた「イン・ディス・ワールド」のダリオ・マリアネッリが担当。
 これも美しく、でしゃばりすぎずに、作品の雰囲気を効果的に後押ししていて、好感が持てる。

 この物語が、今日でも多くの人々に愛され続けているのは、いわゆる家庭劇的な平凡な日常、当時のイギリスの上中産階級の田園生活、といった狭い世界を描きながらも、そこに描かれる人間やテーマが、いつの時代にも共通する鋭い洞察に裏付けられているからであり、”結婚”という時代を超えた人々の憧れ、題材がテーマとなっているからであると思う。
 課される試練が、誰の胸にも覚えのある、チクリと刺さる痛みと、その開放の力を強力に持っている。

06プライドと偏見 ストーリー的なことを言えば、この「プライドと偏見」は、ベネット家の長女ジェーンとビングリー、主人公である次女エリザベス(キーラ・ナイトレイ)とダーシーの、結婚に至る紆余曲折の物語、と簡単に言ってしまうことができる。
 しかしずいぶん昔に、どこかの本で誰かが言っていたように、この「プライドと偏見」は、現代のあらゆる恋愛ドラマやメロドラマ、少女漫画の原点であり、その後の多くの物語が、この「プライド〜」のバリエーションに過ぎないと言うことも出来なくはない。
 そのぐらい、ドラマとしての本質的な要素を土台に持っているのである。

05プライドと偏見 簡単にまとめると、次のようになると思う。

 「男女が出会い、始めは互いに相容れないもの、反発すら覚えながらも、しだいに惹かれ合うようになる。
 やがて、当初思いこんでいた様々な誤解が解け始め、いったん誤解が解けると、今までのすべてが違って見えてくる。
 二人は互いに自分の過ちに気づく。
 そして試練を乗り越え、最後には許し合い、愛し合うようになる。
 ハッピーエンド。」

08プライドと偏見 この基本的な構図は、多くのドラマに見ることが出来るし、僕の大好きな漫画『ガラスの仮面』の北島マヤと速水真澄(紫のバラの人)
の関係などはまさしくこの典型である。
 そう考えると、『ガラスの仮面』には、物語としての面白さの要素が、巧みに盛り込まれていたのだなあ、と今さらながら妙に感心してしまう。

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〈ジェーン・オースティンのこと〉

 ジェーン・オースティンは1775年、ハンプシャーで牧師の父と母の間に、8人兄妹の7番目、次女として生まれた。
 1775年といえば、アメリカ独立戦争の起こった年であり、その14年後にはフランス革命勃発という、ヨーロッ07プライドと偏見パ中を捲き込んだ大きな時代の動乱期である。
 オースティン家は古い家柄で、上流階級に属していたが、財産はなく、また子だくさんという状況の中で、生活は裕福とは言えなかったらしい。学校教育もほとんど受けず、家庭教師もおらず、召使いもろくにいなかった。
 家事も、母親を先頭に、娘達で協力してやった。
 まさに今回の「プライドと偏見」の舞台そのものである。
 
 若い頃、オースティンはある青年と恋愛関係になるが、2人とも財産がないことを理由に、彼の家族から結婚に反対されている。
 その数年後、別の男性と婚約するが、翌日には婚約を破棄したという。
 そのあたりの詳細はわからないが、おそらく彼を愛していないことに気づいたからだと言われている。
 1805年に父を失うと、母と08-2プライドと偏見姉、親類の娘らと、女性だけ13プライドと偏見の生活を送った。

 オースティンは6つの代表的な小説を残しているが、当時の人々が好んだロマン主義とは様式的に大きく異なっており、なかなかすぐには受け入れられなかったようだ。
12プライドと偏見 初期(1796〜98)に書かれた「エリナとメアリアン」、今回の「プライド(高慢)と偏見」、「ノーサンガー寺院」は、いずれも出版元が見つかるまでに、15年以上もかかったらしい。
 「エリナとメアリアン」を改作し、やっと36歳にして陽の目を見たのが「分別と多感(映画『いつか晴れた日に』)」であり、1813年、38歳の時に「プライドと偏見」を出版した。どちらも自費出版だったが、ひとたび世に出るとたちまち注目を浴び、
作家としての地位を確立した。

 彼女の執筆スタイルは、書14プライドと偏見斎にとじこもって集中して書く、といういわゆる作家的なものではなく、家事や針仕事の合間、いつも持ち歩いていた小さな紙片に、何か思い浮かぶと書きつける、というものだったようである。
 そして誰か人の気配がすると、さっとそれを隠してしまう。
 彼女が描くのは、彼女彼女16プライドと偏見自身が真に観察したものだけだった、という。彼女が記した書簡に、
「田舎に三つか四つの家族が集まれば、それで十分小説になる」と書いているいるように、彼女は良い文学を書くにはそれで十分だと考えていた。

 1814年には「マンスフィールド・パーク」を、1815年には「エマ」を出版。
 しかし翌年から健康の衰えがあらわれ始め、1817年に、良い医者にかかるためウィンチェスターに移った。
17プライドと偏見 その甲斐もなく、同年7月18日、わずか41歳で亡くなった。



09プライドと偏見−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 『成熟は幻想の喪失を通じて達成されるというのが、オースティン作品の特徴的なテーマであり、
登場人物の性格上の欠点は、きびしい試練を教訓としてまなんではじめて修正される』
Microsoft(R) Encarta(R) Encyclopedia 2002. (C) 1993-2001 Microsoft Corporation. All rights reserved.

 
 現実の世界では、たとえ自らその欠点や過ちに気づき、悔い改めたとしても、一度失ってしまった人間関係や信頼関係、恋愛関係は、二度と元には戻らないとい09-2プライドと偏見う場合も多い。相手の真意に気づかないまま、気づく機会もなく、そのまま誤解の解けない場合もある。気づいた時には遅すぎた、ということもある。

 しかしそこは娯楽小説の醍醐味。お互いが試練を乗り越え、成熟を遂げた暁に、相手を許しあい、理解し合い、めでたく結ばれる、というハッピーエンドは、人々に大きな感動と励ましを与える。この物語が愛され続ける理由であると思う。

10プライドと偏見 以下、サマセット・モームがジェーン・オースティンを評した言葉を、引用します。
「どの作品にもこれといった大したことは起こらない。それでいて、あるページを読み終えると、さて次に何が起こるだろうかと、急いでページをくらずにはいられない。ところが、ページをくってみても、やはり何も大したことは起こらない。だが、それでいて、またもやページをくらずにはいられないのだ。これだけのことを読者にさせる力を持っているものは、小説家として持ちうるもっとも貴重な才能の持ち主である」
(「自負と偏見」新潮文庫〜解説より)

 とにかく映画自体もとてもおすすめだし、映画を見る前でも見終わった後でも、是非原作を読んでみることをおすすめします。
15プライドと偏見 映画を見終わった後なら、なお楽しめるかも知れません。
 実は僕もまた読み返しています。
 映画では時間の都合で描ききれなかったエピソードや細部、因果関係などがいろいろわかって、とても楽しいし、ジェーン・オースティンの人間そのものに対する物の見方、洞察力の鋭さ、また愛情が伝わってきます。
 もし時間があったら、ご一読を。 


「プライドと偏見」オフィシャルサイト
http://www.pride-h.jp/

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■ 映画「プライドと偏見」、ジェーン・オースティン関連


 

自負と偏見

僕はこの新潮文庫版で読みました。「高慢と偏見」というタイトルで、ちくま文庫、岩波文庫、などからも出版されているようですが、この新潮文庫版は上下巻ではなく一冊にまとまっているし、中野好夫さんの訳文もとても読みやすいし、おすすめです。

映画『キング・コング』オリジナル・サウンドトラック

映画『プライドと偏見』オリジナル・サウンドトラック


音楽は「In The World」でベルリン映画祭金熊賞を受賞した実力派ダリオ・マリアネッリ。そしてピアノを担当しているのがフランスの貴公子ピアニスト、ジャン=イヴ・ティボーデ。
『ピアノ・レッスン』を髣髴とさせる美しいスコアが展開されます。

 

説きふせられて

愛しながらも周囲に説得されて婚約者と別れたアン.8年の歳月にも,胸の底に秘めた思いの変わることはなかった.思いがけない再会に,若さと魅力が失われつつある自分を意識する….南イングランドの美しい自然を舞台に,心の底にしみ入るような魅力をたたえた,しみじみとした心理小説.オースティン最後の作品。

 

ノーサンガー・アベイ

19世紀イギリスの代表的女流作家ジェーン・オースティンの佳作、待望の新訳。物語のヒロインに憧れる17歳のキャサリンを中心に、英国中流階級の生活ぶりと典雅な恋愛模様をユーモアと風刺を織り混ぜて描く。

 

マンスフィールド・パーク

映画化された「分別と多感」「エマ」など、機知と英知、そして情熱を秘めた作品を残した、19世紀英国が誇る女流作家、ジェーン・オースティンの後期代表作の新訳。

エマ DVD

19世紀のイギリスを舞台に、頭でっかちで恋愛沙汰を知ったかぶりするエマを巡る、上流社会の恋のさや当てをコミカルに描くイギリス喜劇。
出演:グウィネス・パルトロウ、トニー・コレット、その他

 

エマ 中公文庫

 

映画情報

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January 21, 2006

静かな休日、文章を書くということ

 休日。 
 午前中はいろいろとやることがあって忙しかったが、午後はとくに何もやることがなくなったので、部屋の模様替えをした。
 机の位置を変え、パソコンや周辺機器の配置も変える。部屋は広々とした感じになり、ずいぶん使いやすい書斎になった。

 しかしそれも二時半ぐらいには終わってしまい、あとはまた何もやることがなくなった。しばらくぼんやり過ごしたあと、夕方までずっと日記を書いていた。

 ここのところ、僕はずいぶんたくさんの文章を書くようになった。
 昼間は仕事のために文章を書き、大量のメモを書き、備忘録や予定を書き込む。
 家に帰ると、自分のサイトに「一言日記」を書き、自分のためだけの日記を大学ノートに書き、時には誰かに宛てた手紙を書くこともある。
 何か書けそうなときには、このブログも更新する。
 本を読みながらメモや断片的な感想を書き、映画やビデオを見たあと思ったことを書き、寝る時にはベッドの枕元に小さな手帳を持って行く。何かを思いついたり、思い出したりした時に書きとめることが出来るように。毎日毎日、とにかくひたすら文章を書いているような気がする。

 今までは、そんなにたくさんの文章を書くということはなかった。
 特に書きたいとも思わなかったし、別にそれほど書くべきこともなかった。

 静かに机に向かい、ただひたすらコツコツと文章を書いていると、なんとなく気持ちが落ち着く。
 ムキになったり、何かを急いだりせず、自分の心の中を静かな状態に保つことが出来る。

 文章を書くことで、誰も救われたりなどしないのかも知れない。
 あるいは救われたような錯覚がするだけなのかも知れない。
 自分自身を本当に救い上げるには、文章を書くことなんかより、もっと有効な方法があるのだろう。たぶん。
 それは僕にはよくわからない。
 でも書くことで、僕は自分を、僕自身から乖離しすぎてしまわないよう、なんとかつなぎとめているように思う。
 日々の忙しさや、混乱や、一時的な感情で、自分が今どこにいるのか、見失ってしまわないように。
 僕にとって、少なくとも今は。

01-2プライドと偏見 夜、キーラ・ナイトレイ主演の「プライドと偏見」を観に行ってきた。
 これはなかなか良かったです。後半は、見ながら何度も涙が出ました。
 明日か、あさって、レビューをアップする予定です。




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January 18, 2006

日記をつけ始める

 昨日から、日記をつけ始めることにした。
 このブログや、自分のホームページで「一言日記」も書いているわけだが、そうではなくて、いわゆる普通の、自分のためだけの日記をつけようとふと思った。
 前にも、そういう日記はちょこちょこと書いたりはしていたのだが、とても継続的な日記とは言えなかった。

 これまで、いろいろ試してみたことはあるのだが、やっぱり日記は手書きがいい、となんとなく思う。理由はうまく説明できないのだが、手で書くということは、やはり心地のいいことではある。肩ひじを張らずに、素直に思ったことを書きつけていくことが出来るような感じがする。
 
 日記というのは、やはり続けていると、後になって読み返した時に自分でもびっくりするような発見があって面白い。
 今まで僕が、気が向いたときだけつけていたごく断片的な記録を読み返すだけでも、なかなか感慨深いものがある。
 5年前、あるいは10年前、自分が何を切実に求めていたか。何に自分を賭け、何を不安に思っていたか。その時一番大切だと信じていたもの、その時々の自分の感情。抑えられなかった感情、伝えたかったのに伝えられず押し殺してしまった感情。一時的だったものも、ずっと変わらないものもある。
 夢見ていたこと。好きだった女の子。

 たぶん、僕は自分自身の大きな変革を求めているのだろう。
 文章を書くという行為を通して、自分自身の棚卸しをしたいと思っている。
 そして自分がいったい、今本当に何を求めているのか、何を大切にしたいと思っているのか、どんな風に自分を変えていきたいと思っているのか、そういうことを、少し冷静になって考えてみたい。
 今は僕にとって、そういう時期なのだろう。

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January 16, 2006

禁煙開始。再び。

 二日ぐらい前から、また性懲りもなく禁煙を始めている。

 前回試みたのは去年の春、「芝居の会」の公演の時。
 大役をもらって、まずは体力ということで一大決心して始めたのだが、途中で公演そのものが立ち消えになり、禁煙を始めた理由もなくなって、そこで断念した。

 今回禁煙を始めたのは、理由は書かないけれど、僕にとってそれなりに切実な理由からだ。いろいろと思うところがあって、思い切って禁煙に踏み切ることにした。
 叶えたい目的のために、自分が一番断ちがたいものを断ち、代償として捧げる・・・。そんなところである。

 しかしここのところいろいろなことがあったので、そのせいで辛いのと、禁煙の辛さがごちゃごちゃになって、自分でもなんだかわけがわからない。

 でも、とにかく、自分との約束を、きちんと守り通したい。
 今回だけは、どうしても。

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ワークデスク6点追加しました。


 



January 11, 2006

マイクル・クライトン「恐怖の存在」を読み始める

 3日ぐらい前から、マイクル・クライトンの「恐怖の存在」を読み始めた。
 「ダ・ヴィンチ・コード」から始まった久々の読書熱。
 ついこの間、同じダン・ブラウンの「天使と悪魔」を読み終え、今度は「恐怖の存在」と、読むジャンルがどうも蘊蓄づくめに偏っている。

 しかしこの「恐怖の存在」、久しぶりのマイクル・クライトンだが、ちょっと難しすぎるような・・・。
 まだ読み始めたばかりなのでなんとも言えないが、忙しい合間を縫っての読書としては、ちょっと骨の折れる本である。長いのと難しいのとで、なかなか進まない。疲れて眠い時なんかは、とても読めない。
 まあマイクル・クライトンのことだから、はずれはないと思うのだが。
 期待して、なんとか根気よく読み進むとしよう。

 ところでダン・ブラウンの「天使と悪魔」は、期待を裏切らずとても面白かった。
 クライマックスの盛り上がりと意外性、そして主要人物達の精神性への洞察、昇華、といった面では、ある意味、「ダ・ヴィンチ・コード」を超えていると思う。
 というより、「天使と悪魔」の方が先に出版されたわけだが。
 とにかく本当に面白かった。

 「天使と悪魔」は、また時間のある時にじっくりレビューを書きたいと思います。

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ダ・ヴィンチ・コード ヴィジュアル愛蔵版

絵画とともに、謎を解く旅へ−

読んだ人にもこれから読む人にもうれしい、豪華愛蔵版!内容に登場する絵画や紋章、地図や写真など140点をふんだんに盛り込みました。小説の世界により深く接するための豪華カラー版。

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ダ・ヴィンチ・コードの謎(DVD)

サイモン・コックスによる世界的ベストセラー「ダ・ヴィンチ・コード」に記された“キリスト教の消された歴史”は真実なのか?レオナルド・ダ・ヴィンチの絵に隠されたさまざまな謎を、映像や解説で紐解くドキュメント。

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ダ・ヴィンチの暗号を解読する―図説ダ・ヴィンチ・コード



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 ダン・ブラウンの本



January 10, 2006

映画「ヴィレッジ」と「ミリオンダラー・ベイビー」

 昨日は成人の日、ということで会社が休みだった。
 午前中、「NOTE」を新車一ヶ月点検へ出し、午後は早めに家に帰って、ビデオを2本見る。
 「ヴィレッジ」と「ミリオンダラー・ベイビー」。

 「ヴィレッジ」は、あまりのひねりのなさにびっくりして、見終わったあと、「こんなのはドラマじゃない」とぶーぶー文句を言った。
 設定自体にひねりがないとまでは言わないが、ドラマとしては極めて平板である。

 僕が思うにこの「ヴィレッジ」は、”訳あり”の村、ということ以外、ほかに特別取り得がなく、それが分かってしまえさえすれば、後はただ、些末な出来事の羅列があるだけである。
 外堀から盛り上げる、という言い方は正しくないかも知れないけれど、思わせぶりな出来事の断片を振りまき、全体を強引に盛り上げることに忙しくて、ドラマそのものの本筋に関わる、主要人物たちの精神的盛り上がりに欠ける。

 ”なんとなく”恐怖をあおること、そして「実は昔この村にはこんなことがあったんです」という、ただその2点だけが、この映画の狙いのようである。
 「もう一度見たい」、と言う人は、おそらくあまりいないのではないだろうか。

 しかしどういう事情があるにせよ、あんな目の見えない、若くてかわいい女の子を、たった一人で深い森の先の町まで行かせるという村の権威者(娘の実の父親を含む)たちの判断は、どう考えても道徳に反していると僕は思う。
 道徳に反する、というより、人間としてどこかネジが完全にずれている、あるいは正常な感覚、人として当たり前の情が欠如している、としか言いようがない。
 ラスト、みんなで感動して泣いている場合ではないと思う。

 どのような辛い過去があったにせよ、隔絶された空間で、自分たちが傷つかないための自分たちだけの楽園を作って生きるということ自体が、誤解と被害妄想と偏見に偏った、誤った世界観のあらわれであり、ある部分で気持ちはわからなくないものの、それはやはり非現実的、虚構的であり、気違いじみている。
 確かにかつて心に深い傷を負った人たちなのだろうけれど、こういう風に「私は傷つきました」と居直られ意固地になられてしまうと、なんとも言いようがない。
 彼らは”純粋さ”を守ろうとするが、”純粋さ”の意味を明らかにはき違えている。

 それを若い人々にまで押しつけ、嘘の世界の姿を教え、背負わせたままドラマが終わるというのは、なんとも身のふたぐ思いがする。
 ラストで、この先の彼らにわずかな光明らしきものが感じ取れなくもないではないが、二時間近くある1本の映画の結末としてはあまりにも弱い。

 とにかく僕としては、たまの休日の二時間を割いてわざわざ見るような映画ではなかった。
 悪いけど。

 「ミリオンダラー・ベイビー」は、前からかなり期待していた作品である。内容は詳しくは知らなかったが、実際見てみると、想像もしなかったほど重く、暗い話で、なんといっていいやら、しばらく言葉もなかった。
 うーん、いいんだか、悪いんだか。

 ちょっと一言では言い切れない複雑な後味を残した。
 作品自体重すぎて重すぎて、今日詳しく書く気力はないが、あのようなテーマを、あのように描く必要、観客に投げかける必要が、いったい本当にあるのだろうか、という点で、後になって、ちょっと首を傾げてしまった。
 確かにそういことも世の中にはあるんだろうけど、そこから観客は何を受け取ればいいんだろう?と。
 まだ自分としても結論は出ていない。
 
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January 06, 2006

古畑任三郎ファイナル「ラスト・ダンス」を見る

 正月のドラマスペシャル、古畑任三郎ファイナル「ラスト・ダンス」を見た。
 今回は松嶋菜々子主演。
 昨日のイチローの回も悪くはなかったが、僕としては今回の方がどちらかといえば好きである。

 それにしても、松嶋菜々子って芝居がうまくなったよな、としみじみと思う。
 「美女か野獣」の時にもそう思ったのだけれど。
 昔、まだ松嶋菜々子が売れ始めたばかりの頃の映画「恋と花火と観覧車」を見たときには、
「なんだ、ただのきれいなお姉さんじゃないか」と思ったものだ。
 しかしまあ、映画自体ひどかったので、それは仕方のないことである。
 この映画は昔CMで流行ったコピー「恋は、遠い日の花火ではない」の行き過ぎた悪のりみたいな、ジョークみたいな映画だった。まったく面白くもなんともなかった。
 日本という国は、どうしてこういう映画を、なんの臆面もなくほいほいと作ってしまうんだろう?
 最近は、日本映画もだいぶ盛り返してきているようだけれど。

 まあとにかく、「ラスト・ダンス」、なかなか面白かった。
 古畑任三郎を見るたびに、「やっぱり田村正和ってうまいなあ」と改めて感心すると同時に、「やっぱり三谷幸喜ってうまいなあ」と改めて感心させられることになる。そして、「いいシナリオ、あるいは戯曲を書くには、三谷幸喜ぐらい一見変人じゃないとやはり駄目なんだろうか」と考えてみたりする。
 三谷幸喜の会見なんかを見ていると、その「変人」ぶりと、本人自身が周囲から「とらえどころのない人」と思われるのを楽しんでいるようなところがなんとなく見えて、面白い。

 ところで今回のドラマのラスト、
「ずいぶん昔になりますが、あなたにとてもよく似た女性に会ったことがあります」
 
「その人も誰かを殺したの?」

 というこのセリフは、もちろん小石川ちなみ(中森明菜)のことだが、当時、古畑任三郎を結構夢中で見ていた僕としては、すぐに思い出したし、懐かしかった。
 そうか、小石川ちなみはあれから結婚して、今はアメリカで幸福に暮らしているのか、と妙に感慨深いものがある。
 長寿ドラマならではである。

 今回の加賀美京子=大野かえで(松嶋菜々子)も、小石川ちなみも、美しく、寂しい女性、という面では確かに共通する雰囲気を持っている。見終わった後の、後味の質も結構似ている。
 でも思い出してみると、小石川ちなみのドラマの方が、どちらかというと気が利いていて、ひねりがうまく、そこから落ちる影もまた濃かったような気がする。いい話だったし、ストーリーがしっかりしていた。いまだに結構覚えているぐらいだから、その印象も余韻も、かなり大きかったのだろう。

 ちなみにどうでもいいことだが、松島菜々子は1973年10月13日生まれ、天秤座のA型で、僕より一つ年下。
 僕の彼女とは誕生日が1日違いで、星座はもちろん血液型も同じA型である。

 ふーん、そうだったのか。

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古畑任三郎関連

小石川ちなみの回は、「警部補 古畑任三郎 1st DVD-BOX」に収録されています。

映画『キング・コング』オリジナル・サウンドトラック

古畑任三郎 3rd season DVD-BOX

田村正和主演、三谷幸喜脚本のミステリードラマ第3シリーズのBOX。類稀な推理力を持つ刑事・古畑任三郎が、多彩なゲストが扮する犯人が企む完全犯罪の謎に挑んでいく。SMAPと緒形拳がそれぞれ出演した特番2編を含む全13話を収録した6枚組。

《Disc: 1》「VS SMAP (SMAP)」(1999.1.4)  《Disc: 2》「VS 黒岩健吾 (緒方拳)」(1999.4.6)  《Disc: 3》「VS 気楽家雅楽 (市川染五郎)」(199.4.13)
「VS 由良一夫 (真田広之)」(1999.4.20)  「VS 荒木嘉右衛門 (松村達雄)」(1999.4.27)
《Disc: 4》「VS 金森晴子 (大地真央)」(1999.5.4)  「VS 安斎享 (津川雅彦)」(1999.5.11)  「VS 黒井川尚 (市村正親)」(1999.5.18)
《Disc: 5》「VS 小田嶋さくら (田中美佐子)」(1999.5.25)  「VS 堀井岳 (福山雅治)」(1999.6.1)  「VS 臺修二 (玉置浩二)」(1999.6.8)
《Disc: 6》「VS 日下光二 (江口洋介)」(1999.6.15)  「VS 日下光二 (江口洋介)」(1999.6.22)

キング・コングができるまで 製作日記

警部補 古畑任三郎 サウンドトラック Vol.2

 三谷幸喜脚本、田村正和主演のミステリー・ドラマ『古畑任三郎』のサウンドトラック第2弾。名場面の数々が鮮やかによみがえるファン必須の1枚。

■ 古畑任三郎関連 一覧


January 04, 2006

映画「キング・コング」

01kigkong-pict 1933年製作のSF映画の金字塔、世界特撮映画の元祖とでも言うべき古典的名作「キング・コング」を、最新のテクノロジーを駆使し、空前のスケールと史上最高の制作費2億700万ドル(248億4000万円)でリメイクしたアドベンチャー超大作。

「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」で、史上最高のアカデミー賞11部門ノミネート、11部門完全受賞を果たしたピーター・ジャクソン監督が、長年夢みてきたプロジェクト、「9歳の時テレビでこの映画を見たことで、自分の人生が変わった」とまで言う作品『キング・コング』をリメイク。

 ヒロイン、アン・ダロウには、「21グラム」でアカデミー賞候補となった、ナオミ・ワッツ
 野心家の映画監督カール・デナムに、「スクール・オブ・ロック」でゴールデン・グローブ賞ノミネートのジャック・ブラック、アン・ダロウに愛を捧げる気鋭の脚本家ジャック・ドリスコルに、「戦場のピアニスト」でアカデミー賞主演男優賞を獲得したエイドリアン・ブロディ。
 さらに、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのゴラム役、アンディ・サーキスが、キング・コングのCGIのためモーション・キャプチャー用の演技を提供、一人二役で、ベンチャー号のコック、ランピーも演じている。

 見終わってみて、とにかく面白い映画だった、というのが率直な感想である。
 僕はオリジナルの「キング・コング」を見ていないので、「キング・コング」でこれほど感動させられるとは予想もしていなかった。
 ラストが迫るにつれ、思わずつい泣いてしまった。一緒に観に行った彼女も、泣きすぎて目が痛くなってしまったみたいである。

 美女と野獣、悲恋の結末・・・といっても、キングコングとアンの間に生まれるのは、いわゆる普通の恋愛感情ではない。
 彼らが育むのは、夫婦がお互いに対して感じるような愛情、自分の子供に対して感じるような愛情、かわいがっているペットへの愛情・・・そういったすべての深い愛情の混合のようなもの、その中間あたりにあるものである。
 映画を見ながら自分の妻のことを思い出す人もいるかもしれないし、忠実な愛犬を思い出す人もいるかも知れない。
 僕は自分が飼っている猫のマキを思い出して、もし僕と離ればなれになったら、マキもあんな風に僕を求めて泣くんだろうか、と考え、涙が浮かんできた。大切な人や猫を、たった一人で置き去りにしてきてしまったような気持ち。
 この映画にあるのは、そんな種類の二人の”絆”なのだ。

 だから映画を見終わったとき、その感動の質は、”悲恋”というようなものではまったくなく、一言で言ってしまえばいわゆる「動物映画」的な感動に近い。

 物語の筋はとても簡単、単純である。
 以下、あらすじと、キャスト&スタッフ紹介。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【あらすじ】

02kingkong-pict 舞台は1933年、世界恐慌真っ只中のニューヨーク。
 人々は仕事や家を失い、食料配給所には長蛇の列ができていた。
 不況の煽りを受け芝居小屋が閉鎖となり、途方にくれる喜劇女優アン・ダロウ(ナオミ・ワッツ)。オーディションを受けるため演劇プロデューサーに掛け合うが相手にされず、かわりにストリップ劇場を紹介される始末。

 そんなアンの前に、野心家のB級映画監督カール・デナム(ジャック・ブラック)が現れる。
 かつてない冒険映画を髑髏島=スカル・アイランドで撮りたい彼だが、スポンサーからは出資を見限られ、主演女優にも降板されたところだった。
 彼は街中で出会ったアンに目をとめる。アンは彼のイメージにぴったりで、その上服のサイズも降板した女優と同じ。

 なかなか彼のオファーを了承しないアンだが、かねてから憧れていた劇作家ジャック・ドリスコル(エイドリアン・ブロディ)がシナリオを執筆していると聞き、出演することを決める。

04kingkong-pict スカル・アイランドへと向かう船「ベンチャー号」。しかし旅の行き先は、デナムと船長しか知らない。
 ジャックが脚本を執筆する一方、船上での撮影は順調に行われていった。
 無名女優であるアンの演技力を疑問視していたジャックだったが、次第に心惹かれ、互いに思いを寄せ合うようになる。

 突然ベンチャー号は深い霧に包まれ座礁する。ついに、スカル・アイランドに到着したのだ。
09kingkong-pict 上陸を待ち受けていたのは、野蛮な島の原住民たちだった。
 彼らはアンをさらって、巨大なゴリラ”コング”の生け贄として捧げる。
 ジャックたちが駆けつけたとき、すでにアンはコングに連れ去られた後だった。

 スカル・アイランド・・・そこは、絶滅したはずの恐竜たちが徘徊する険しいジャングルだった。
 アン救出に向かうジャックたちに次々と襲いかかる恐竜や、大型の昆虫たち。
 一人また一人と、犠牲者が増えていく。

 コングにさらわれ、その餌食となろうとしていたアン。
 しかしアンを見つめるコングの様子に変化が起き始める。

03kingkong-pict コングの一瞬の隙をついて逃げ出したアンだったが、3頭のV−REXに襲われそうになる。そこへコングが颯爽と救出に現れる。
 V−REXたちを倒したコングは、アンを大事に抱え、自分の隠れ家である山の頂きへ連れて行く。
 夕陽に染まる美しい景色を、アンとコングは見つめる・・・。
 「beautiful」そうアンは呟く。

 やがて、船員たちの罠にかけられ、ついに生け捕りにされてしまうコング。
 数週間後、ニューヨークのブロードウェイで”世界8番目の驚異”と名づけられた一大イベントが行われる。
 このショーによって一躍成功をおさめた興行主は、デナム。
 舞台上に鎖で括り付けられたコング、そのまわりで踊るダンサーたち。
 スカル・アイランドでの出来事を劇にして再現していく。

07kingkong-pict しかし突然、コングは暴走する。
 アン役を、別の女優が演じていたことに腹を立てたのだ。
 鎖をひきちぎり、劇場を破壊して、ニューヨークの街に出るコング。街中がパニックに陥る。
 やがて駆けつけたアンを、コングはそっと抱き上げる。
 軍に囲まれ、追い詰められた二人は、エンパイア・ステート・ビルを登り始める・・・。

06kingkong^pict 
【CAST】
         俳優(役名)
出演: ナオミ・ワッツ(アン・ダロウ)
 ジャック・ブラック(カール・デナム)
 エイドリアン・ブロディ(ジャック・ドリスコル)
 トーマス・クレッチマン(イングルホーン船長)
 コリン・ハンクス(プレストン )
 ジェイミー・ベル(ジミー)
 エヴァン・パーク(ヘイズ)
 カイル・チャンドラー(ブルース )
アンディ・サーキス(キング・コング/コックのランピー)

05kingkong-pict【STAFF】
監督: ピーター・ジャクソン
製作: ジャン・ブレンキン
 キャロリン・カニンガム
 ピーター・ジャクソン 
 フラン・ウォルシュ 
原案: メリアン・C・クーパー
 エドガー・ウォレス 
脚本: ピーター・ジャクソン 
 フラン・ウォルシュ 
 フィリッパ・ボウエン 
撮影: アンドリュー・レスニー 
クリーチャーデザイン: リチャード・テイラー[SFX] 
ミニチュアデザイン: リチャード・テイラー[SFX] 
視覚効果監修: ジョー・レッテリ 
特殊メイク: リチャード・テイラー[SFX]
プロダクションデザイン: グラント・メイジャー
衣装デザイン: テリー・ライアン
編集: ジェイミー・セルカーク 
音楽: ジェームズ・ニュートン・ハワード
 
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

10kingkong-pict コングや、V−REXを始めとする恐竜たち、また、再現された1930年代のニューヨークの街並みなど、巧みなCG映像や、ニュージーランドのウェリントンに建設された大規模なセットが見事なのは言うまでもないが、コングのその表情、感情の表現も本当に素晴らしい。
 コングの心の動きに伴う顔の筋肉の動きや変化など、非常にリアルで魅力的で、あくまで基本的には野生のゴリラとしての本能と険しさ、怖ろしさがあらわれているが、アンとの交流によって、次第に喜びや愛しさ、寂しさなどの感情が、絶妙なニュアンスで表現されていく。
 アンと戯れるシーンなどは本当に微笑ましい。
 獣と人が、お互いを信頼し、お互いを必要とするようになる−−。
 このあたりが、この映画でもっとも心和むシーンであり、まさに動物映画的感動の所以である。

 しかし一つだけ難をあげるとすれば、多くの人が感じているように、確かに3時間8分は長い。
 映画が全体的に良く出来ていて、十分に見所もあるし感動的なので、終わってみればある程度許せてしまうのだが、冒頭から、スカル・アイランド(髑髏島)へ到着するまでがまずかなり長くて、もう少しスピーディに物語を展開させられたんじゃないかと思う部分、カットしても特に問題のないように感じられる部分は確かにある。映画が始まって一時間以上たっても、キング・コングはまだ登場しない。 
 アンを始めとして、周囲の人たちのサイド・ストーリーが丁寧に細かく描かれる。

 髑髏島に潜入してからは、恐竜やら大型虫との戦いが延々と続く。
 たぶん観た人たちの90%ぐらいが、「ジュラシック・パーク」を思い出したはずである。
 僕も観ながら「お、ラプトルだ」「REXだ」と、結構「キング・コング」とは関係ないところで盛り上がった。
 ビジュアル的な面、アクションの臨場感などからいえば、本当によく出来ている。圧倒される。

 しかしたしかに映像やその迫力は素晴らしいのだが、残酷なシーンやちょっと気味の悪い、胸の悪くなるシーンも多かった。
 ばかでかいムカデやら、ゴキブリやら、もぞもぞと動く変な虫たち。
 このあたりは、「このシーンはなくてもいいんじゃないか」「そろそろ次へ行ってもいいんじゃないか」と正直思った。
 実際、オリジナル版では、谷底に落ちたジャック達が虫と格闘する場面はあえてカットされたようだし、確かにそこまで(しかもこのシーンがかなり長い)見せなくても良かったと思う。
 そもそも、これは「キング・コング」なのだから。

11kingkong-pict しかしまあそれはそれとして、全体としては三時間、十分楽しむことが出来た。
 僕としては、そういったささいな個人的意見や多少の欠点には目をつぶりたいと思う。
 「キング・コング」が見所満載の、優れたエンターテイメント映画であることには間違いないのだから。

 オリジナルの倍以上の長さになったという今回のリメイク版だが、長くなったことでもちろん良くなっている部分もたくさんある。
 今回のリメイク版に付け加えられているシーンとして、導入部、ベンチャー号に乗船するまでのエピソードがかなり膨らまされているようである。それによって、アン・ダロウの悲劇のヒロイン的要素も強まっているし、全体を通して非常に重要な役割を担う存在、B級映画監督デナムの、口先だけで実際にはたいしたことのないはったりっぷり、野心のためなら手段を選ばない功利主義、軽さ、などもよく現れている。

08kingkong-pict 導入部を見ていると、アンが恵まれない環境で育ち、愛情にもあまり恵まれなかったであろうということがわかる。
 これまで何度となく絶望を経験してきたアンは、半ば夢をあきらめ、人生をあきらめている。自分は愛など信じない、とアンは言う。そんな幸せは、決して長くは続かないものだから、と。
 そういったサイド・ストーリーがあるからこそ、コングとの絆がより深い結びつきとして、コングにとっても、アンにとってもかけがえのないものとして、胸に響いてくる。

12kingkong-pict 追い詰められたキング・コングがエンパイアステート・ビルに登るシーン−−
なぜコングがそうしたのか−−どこまでも見渡せる美しい透明な朝の空と、そのラストは感動的だ。

 物語を通して、さまざまな社会的メッセージも内包されているのかも知れないが、ストーリーも単純だし、お互いに孤独な存在だったアンとコング、二人の愛の交感の物語として、素直に感動できる良い作品に仕上がっていると思う。

 スクリーンの大画面で楽しむ価値のある、迫力と臨場感ある映画である。
 お正月に見る映画としてはおすすめNO.1と言ってもいいかも知れない。

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「キング・コング」公式HP
http://www.kk-movie.jp/top.html

映画関連情報

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■ KING KONG 関連
映画『キング・コング』オリジナル・サウンドトラック

映画『キング・コング』オリジナル・サウンドトラック

『ロード・オブ・ザ・リング』のピーター・ジャクソン監督による話題作のサントラ盤。1933年のオリジナルをリメイクしたもので、音楽を担当しているのはアカデミー賞受賞作家のハワード・ショア。迫力のスコアが楽しめる。

2,500円(税込)

キング・コングができるまで 製作日記

キング・コングができるまで 製作日記


 これはもう、1本の映画、いや、優に映画3本分ぐらいのボリュームの情報量を持った作品であり、単なるメイキングの枠を超えて楽しめるショート映像集であったりする。
   ピーター・ジャクソン監督の大作「キング・コング」の製作プロセスを緻密に追いかけた、その映像は公開までの間ウェブサイトにて公開されてきたが、本作ではその膨大なメイキング映像に、約1時間の映像をプラス。 カメラは時として撮影現場に出現した、ガンダルフ(!!)姿のスパイを追跡し、時として打ち合わせの最中にも関わらず疲労で眠りこけてしまうジャクソン監督の姿を克明に記録し、またある時は「ユニバーサルから発表の許可が出た」として「キング・コング」の続編2本の製作を喜々として発表するジャクソン監督を捉える。
   通常メイキング映像とは、事実のみを積み重ねて見せるものだが、本作ではどれが撮影現場の真実を写しているのか、どれがスタッフのおふざけなのか、嘘八百を並べ立てたフィクションなのかが分からない。徹夜撮影の後、セルフ・サディスティックなジョークを飛ばし合って楽しむ、あの現場の朦朧とした到達感を共有しているかのような麻薬的な作品だ。(斉藤守彦)

1,980円(税込)

キング・コングができるまで 製作日記 フィギュアBOX

キング・コングができるまで 製作日記 フィギュアBOX


9,240円(税込)

キング・コング

アカデミー賞監督ピーター・ジャクソンの映画を、小説のキング・田中芳樹が渾身のスピンオフ!! 映画のスチールも多用して、傑作な冒険時代小説に仕上がっています。

650円(税込)

映画版 KING KONG フィギュア



January 03, 2006

05.12.31〜06.1.2 年越し、新年・・・焼ガニ

05.12.31〜06.1.2 12月31日に、四日間茨城の実家に帰省していた彼女がようやく帰ってきた。
 一人でいる間、昼飯も晩飯もコンビニばかりだったし、風呂に入るのも皿を洗うのもおっくうだし、会社の仕事をする以外は、ほとんど何もやらなかった。帰ってきてくれて、ほっとした。

 大晦日ぐらい豪華に、ということで、二人でスーパーへ行き、生ガニ、その他もろもろを買う。
 晩御飯は僕が作った特性ハンバーグと、卓上七輪で焼いた焼ガニ。
 カニはこうやって炭火で、ほんのりと塩をまぶして焼いて食べるのが一番うまい。香ばしくて、独特の甘みがあって、殻の中においしさがギュッと閉じ込められる。お湯に通して、ポン酢か何かで食べるのもそれはそれで悪くはないが、やっぱり焼ガニが、素材の旨みをもっとも堪能できる。カニのもっとも正しい食べ方だと思う。

 元旦は、急に彼女が39度の熱を出してしまい、丸一日何も出来なかった。僕も、風邪薬を与えたり、氷枕や冷やしたタオルを替えたり、熱と関節の痛みがひどい時には座薬を与えたりした。少し病状がよくなってから、みかんとプリンを食べさせた。

02-05.12.31-06.1.2 1月2日には、彼女は嘘みたいにすっかり回復した。
 そういうわけで、元旦に食べるはずだったお雑煮は、1月2日に食べた。

 カニを焼いた時に使った七輪がまた活躍。
 七輪に、薪ストーブの中でカンカンに熱した炭を放り込み、その上で餅を焼く。
 炭の火力というのは本当にすごくて、あっというまに餅が膨らむ。

 焼けた餅を熱湯で湯がいてから、大晦日の日に余ったカニでたっぷりとダシをとったお雑煮の汁へ。
 僕が作るお雑煮は、ごく一般的なもので、基本的にはしょうゆベースのおすまし。そこに大根とにんじんと鶏肉、そしてカニをほいほいと放り込む。
 鶏肉から出る油とダシ、カニのダシのハーモニーが、最高に美味い。

03-05.12.31-06.1.2
 2005年は僕にとって 、本当に多くのことが一度にやってきた年だった。
 離婚、芝居の公演、二度目の婚約。
 大変といえば、それなりに確かに大変な年だった。
 2005年にどんなことがあったか、僕はこれから先も死ぬまで忘れることはないだろう。

 忘れられない、人生における重大な転機がいくつかあった。
 いずれにしても、それはそれで自分の選んだこと、自分の蒔いた種である。
 大変だったからといって文句を言う筋合いもないわけだが、自分のこれからの生き方を本当に考えさせられた年だったし、決断と、代償があった。
 おかげで以前のような迷いはなくなったように思う。自分にとって、今、何が一番大切なのかも。

 Happy New Year
 2006年が、いい年になることを願う。
 僕にとっても、婚約中の彼女にとっても、芝居仲間たちにとっても。
 その他、僕らが関わりあう、多くの人々にとって。
 
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