March 05, 2005

人は結婚しなくても本当に幸せになれるのか?

 書こう書こうと思いながらずっと先延ばしになっていたのだが、今日のテーマは恋愛・結婚シリーズ第六弾。
「人は結婚しなくても本当に幸せになれるのか?」
 以下、思うことをつらつらと書いてみます。
 
 
                       
 先月下旬の読売新聞の一面に、「結婚しなくても幸せ73%」という記事が掲載されていた。
 結婚しなくても一人で幸福、と思う未婚女性が7割超に上っているということである。
 記事によれば、独身女性の間で未婚を”引け目”ととらえない傾向が強まっており、同じ質問に対して未婚男性は67%ということで、女性の方が”独身願望”がやや強い、らしい。
 女性の回答を年代別に見ると、二十歳代では74%、三十歳代では66%、四十歳代では58%、ということで、若い世代ほど”非婚派”が多い。

 結婚しない、あるいは子供をつくらない、という道を選ぶ女性や男性がいても構わないとは思う。
 人それぞれ自分のスタイルというものがあるし、何かそういう結論に達さざるを得なかった特別な事情、深い理由のある人だっているだろうと思う。結婚したくても機会がない、子供が欲しくても出来ないという人だって世の中にはたくさんいる。
 しかし今回の「結婚しなくても幸せになれると思うか」というアンケートに対して、70%(あるいは男性の67%)という数字の高さはちょっと異常である。その人たちがもし本当にそう考えているとしたら、この国はやはり終わるしかない。
 
 さらに記事によれば、「晩婚化」や「小子化」が進んだことが大きな社会問題と思うかという問いに対しては、女性のうち58%が「そう思う」という回答で、「そうは思わない」の40%を上回ったということだ。
 
 要するに、分裂しているのだと思う。
 結婚しなくても幸せになれると言いながら、一方では「結婚しない」「子供を作らない」ことを大きな社会問題と認識している。自分の中の、本質的な価値観が一致していない。
 
 何を「幸せ」と考えるかという、根本的な大きな問題がそこにあることは確かである。
 「幸せ」というものをどう捉えるかは人によって違うし、どれだけ意見を交わしても、それは解決のつかない抽象論にしかならない。
 しかしどれほど自分の好きなように生きてみても、自分の身勝手な価値観だけしか信じられない人間、ただ刹那的に、単純な利便性や損得だけでしか生きられない人間が、本当にいつか幸せになれるとは思えない。
 心の底から静かに湧き上がるような、穏やかで、充実した幸福感を味わえる日が来るとは、僕には思えない。
 
 この70%の女性、あるいは男性の多くは、心のどこかで、自分が生まれてきたこと、あるいは自分の人生を、根本においては憎んでいるのではないかと思う。
 たとえ国が滅びても、自分たちの生を引継ぎ伝え渡す子孫が誰一人いなくても構わない、とにかく自由に好きなことをやって生きていければそれで幸せ、という考え方をもし本気でするとしたら、やはりそれは、生きることそのものを憎む行為だと思う。意識しているにせよいないにせよ、人間の”生”そのものを、心のどこかで根本的に否定しているのだと思う。
 
 そうなるにはそうなるなりの事情というのがそれぞれあると思う。
 生きることを憎まざるを得ない理由は、常に存在するからだ。誰でも、多かれ少なかれ自分自身の分裂に苦しみ、傷つきながら生きている。
 しかし自分一人のためだけに生きるとしたら、結局のところ生きることとは、しょせん負試合にしかならない。
 何をどれだけ好きにやろうと、何かを積み重ねようと、人はいつか死ぬのだし、昔から言い古されているとおり、人は、一人では生きていけないからだ。
 伝えるべき人、分かつべき人がいなければ、あらゆる文学も、芸術も、日々の仕事の中から生み出されるあらゆる成果も、すべての価値と意味を失ってしまう。
 
 最近僕が感じるのは、「自分の価値観や信念を貫く」ことが、生きる上でもっとも重要なことというわけではないのではないかという事だ。
 僕らはより大きなもののほんの一部に過ぎない。
 そして人が何を信じようと信じまいと、そこには逆らうことの出来ない一定の法則や原理、摂理がある。
 そのような自然の本質に逆らって生きることや信念を貫くことなど誰にも出来ないし、「結婚もしないし子供もつくらない」という人生スタイルを恣意的に選ぶことで、人が本当に幸せになることなどないと、僕は思う。
 
 結婚してからの浮気はOKと自信を持って豪語する僕が、そしてまだ子供のいない僕が、こんな偉そうなことを言うのもなんだけど、とにかく僕は、そう思います。
 
 
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jailz at 18:14│Comments(5)TrackBack(0)その他 

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この記事へのコメント

1. Posted by タンミノワ   March 06, 2005 23:23
はじめまして!ヒデちゃんさん

「オペラ座の怪人」の英語の歌詞の情報を探してましてたどりつきましたら、別のトピックが目にはいってしまいました。(笑)

で、世の中の「未婚・非婚化傾向」へのヒデちゃんさんの危惧ですが・・
世の中の人の70%が結婚出産を否定している、といった統計の類というのが、そのまま個人の心理を反映しているか、というと私はそうは思わないのです。
ヒデちゃんさんがおっしゃるように、「人は、一人では生きていけない」のですし、現在適齢期でありながら、結婚も出産もしていない人たちが「結婚もしないし子供もつくらない」という人生スタイルを、自ら選択しているというよりは、選ばざるを得ないようになっている、というのがほとんどの人の真実の姿ではないか、と思うのです。しかし、誰しも自分の道のりを否定したくはないので、アンケートに答える時には「一人で生きている」ことを肯定的にとらえるようなコメントをしてしまうのではないかと思います。

私自身は結婚も出産も離婚も経験しているので、一通りやりましたっていう道程を踏んでおりますが、結婚そのもの、子供を持つことそのものに幸福が宿る、とは思っていません。もしそうだったら、今の世の中の既婚者の全てが幸福なんですから。
結婚という枠組みに入っていても、パートナーと心が通わないまま月日を重ねていれば、その人の魂は幸せにはなれませんし、枠組みから出ていても、真に愛し愛されたという人がこの世に存在したと思いながら死ねる魂は幸せだと思います。ただ、そういう人を求めたり、そういう人が自分にもいるはずだ、と信じるエネルギ−が極度に低下しているのが今の日本なのではないかと思ったりします。

2. Posted by ヒデちゃん   March 07, 2005 13:25
 タンミノワさん、率直なコメントありがとうございました。

 アンケートの70%という数字を、僕もそのまま鵜呑みにしているわけではありません。
 その人たちが本当はどんなことを考えているのか、どんな悩みを抱え、どのような理由でそのような選択肢を選ばざるを得ない状況にあるのか、想像することは出来ますが、本当のところはわからないです。

 確かにタンミノワさんのおっしゃるとおり、結婚や子供を持つことがイコール幸福だとは僕も思いません。
 ブログの本文でも書いたように、何を幸せと考えるかというのは人それぞれですし、明らかに不幸な結婚生活というのはいくらでもあります。時には社会的事件にまで発展するような惨い虐待や殺人もあります。
 
 僕が言いたかったのは少女漫画のような、あるいはハリウッド映画のような「思いが通じて、あるいは何かを達成して、それでハッピーエンド」というようなものではありませんし、誰かと結婚するとき、あるいは子供を持とうと思うとき、そのことで単純に幸せになれると思うべきではないとも思います。「幸せ」は「平和」とは違って、本質的に置かれている状況の問題ではなく、個々人の内面においてのみ達成されるものだと思うからです。
 
 ただ、文章がさほどうまくないのでうまく伝えるのがなかなか難しいのですが、僕が言いたかったのは、人が生きていく上での一番の土台のようなもののことです。
 個々人だけの幸せなんて最終的には虚しいものなのではないか、ということです。

 タンミノワさんの言うとおり、パートナー、あるいは子供と、心の通わない月日を重ねることは、まったく幸せなこととは言えないのはもちろんだと思います。たんに自分のパートナー、子供、といったことに限らず、どのような人間関係においても、よい関係を築くこと、幸せになるためには努力が必要ですよね。

 心の底から誰かを愛したり、求めたり、信じたり、というエネルギーが今の日本では低下しているのではないか、ということでしたが、確かにそうなのだと思います。そうならざるを得ない状況、というのが、今の社会には多分にあるのだと思います。
 そういう意味も含めて、誰もが多かれ少なかれ分裂し、傷つきながら生きているのだと思います。それが、今一番の問題なのかも知れません。
 そして僕自身の中にもそういう大きな亀裂があるからこそ、僕は、演劇の舞台に立ったり、あるいはこのようなブログを書いているのかも知れません。

 僕は基本的にはおおざっぱでいい加減な人間です。
 あまり偉そうなことを言えるような生き方を今までしてきたわけでもないのですが、そろそろそういったことを、ある程度きちんと考えていかなくちゃいけない年齢にさしかかっているのかな、という気がしています。なにせもう32ですから。

 タンミノワさんのご意見、いろいろと参考になりました。
 おかげで僕もまた新たに考えてみることができました。

 ありがとうございました。
 また懲りずにヒデのブログにお越し下さい。
 
3. Posted by タンミノワ   March 07, 2005 21:53
ヒデちゃんさん、レスありがとうございます。

私も読み足りない部分が多々ありごめんなさい。
なんせファントム寝不足が・・
きちんと読み直して、ヒデちゃんさんのおっしゃりたいことがきちんとつかめたように思います。

>人が生きていく上での一番の土台のようなもののことで>す。
>個々人だけの幸せなんて最終的には虚しいものなのでは>ないか、ということです。

私もこれには激しく共感します。
自分だけの幸福の追求というのは、だんだんと枯渇していくもので、決して増幅していく種の満足はもたらしてはくれないのです。
戦後とか、高度成長期のように、時代そのものにエネルギーのあった時代に生きた人は、割とそのへんはラクに生きれたのではないかと思うんですよね。しかし、今のように時代そのものにもうエネルギーが宿っていない場合、個々人が生きるエネルギーを生み出すことを要求されていて、それは実に過酷なことだったりしますね。
自分ひとりでは幸福になれないという原則がそこにありますから。時代のせいにするつもりは毛頭ありませんが、そのへんは覚悟した上で、生きていかねばと思っています。
私がブログしたりしているのも、一人では幸福になれない証拠なんだろうなと思います。
またおじゃましますね〜
4. Posted by ヒデちゃん   March 07, 2005 22:47
>自分だけの幸福の追求というのは、だんだんと枯渇していくもので、決して増幅していく種の満足はもたらしてはくれないのです。>

僕もそう思います。
僕はとにかく今まで、自分のやりたいこと、好きなこと、夢のためだけに今日まで突っ走ってきてしまったような人間なんですが、結局のところ、「人は何のために生きるのか?」という根本的な問いを自分に向けて発信したとき、それに対する有効な回答が、どうしても見出すことが出来ないんです。それで、ずいぶん苦しんだこともありました。

個人というのは、いつか必ず死に、消えてなくなっていく存在ですから。本当に文字通り、あとかたもなく。
 ではその短い人生の中で、何を成し遂げたとか成し遂げなかったとか、どんな素敵な体験をしたとか、恋をしたとか、そこにどれだけの差があるのだろう?と考えてしまうのです。いずれ死ななければならない命なら、なぜ今そんなに苦労して生きなくてはならないのか?と。

 それは結局、自分という一個の単位だけでいくら考えても解決のつかないことで、それを突き詰めていけばやはりこの世はニヒリズムに陥るしか、行き着く先はないと思うのです。

財津和夫の古い歌に、
「自分の大きな夢を追うことが 今までの僕の 仕事だったけど
 君を幸せにする それこそが 僕の 生きるしるし」
というのがありますよね。知ってますか?
 あれを今の嫁さんと結婚するちょっと前に、ずいぶん久しぶりに聞いて、
ふーん、今の僕はそこまでの心境にはなれないけど、とりあえずいい歌だなあ、と思ったことを覚えています。
 でも結局人の幸福とは、自分以外の誰かのために、全力を傾けて生きることが出来るということなのかも知れません。
 それは自分のだんななり嫁さんなり、子供、あるいは大切な仲間かも知れないし、もしも小説を書いていたとしたら、世界中の”誰か”かも知れません。まあそれが、ブログというジャンルであっても。
 そういうことも十分ありだと思います。

 タンミノワさんの言うとおり、ほとんど神話とも言える高度成長期を遠く離れて、今は個人個人の生き方がほんとうの意味で試される、過酷な時代ですね。昔だってそりゃ貧しくてたいへんだったでしょうが、今は誰にでも「自由」が与えられている分、その過酷さは別の意味でより一層深刻です。
 でもそれに負けずに、それでも僕らは生きていかなくてはならないし、誰かを、何かを、愛し続けなくちゃなりません。そのために精一杯、僕もいろいろと、自分なりに模索してみたいと思います。

 ところで、タンミノワさんの震災10周年の記事、非常に興味深く読ませて頂きました。タンミノワさんのものの見方や感じ方に共感を感じました。

 またそちらへも、ちょくちょくお邪魔させていただきます。




5. Posted by フェアリー   March 14, 2005 13:04
結婚しなくてもと思うのは自由だと思うけど
結婚しないで、何か目標があれば良いとおもいます。

仕事をみていても、やはり男性とは気の入れ方が違う人が多いです。
なんか男のように手を汚さないで、みたいな考えた方とかですね。

目標もなく、結婚せず、ただなんとなくという
女性があまりにも多いのが残念です。

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