February 12, 2005

東京のこと 本屋のこと

 田舎に住んでいても、普段は特別不便を感じるようなことはない。
 僕も18から21の歳まで東京にいたことがあるのだが、若くて金もなかったし、東京にいたからといって、なにか特別おもしろいことが出来たとかいうようなこともなかった。
 ずっと長野県で育ったきた者にとってはそりゃ新鮮だったし、ずいぶん友達と飲み歩いたりもしたけれど、これからも東京に住みたいとか、そういうことは特に思わなかった。
 むしろ狭い殺伐としたゴキブリの大量発生するアパートとか、朝晩の息のつまる満員電車とか、終電近くの酒臭い車内とか、わけのわからない近所の住人とのいざこざとか、住環境については、いろいろと苦労することのほうが多かった。
 
 もちろん、いい思い出もたくさんある。夢もあったし、ずいぶん恋もした。19の時には、生まれて初めて同棲のようなこともした。
 たしかに貧乏だったし、二週間の間、一日たった一つのガーナチョコだけで過ごしたこともあった。
 それでも僕にとっての東京は、毎日がスリリングで過剰だった、青春時代の良い思い出でいっぱいである。
 
 でももう一度東京に住みたいか?と聞かれたら、「まあ、別荘としてならいいかもね」と僕は答えるだろう。
 やはり性分というものがあって、僕は根本的に、田舎暮らしの方がずっと向いているようだ。
 それに今住んでいるところはまわりにほとんど家もないし、車も通らないから(もしかすかにでも車の音が聞こえたとしたら、それは誰かがうちに用事のある時だけである)、猫が自由に飛びまわっても、車に轢かれるような心配はほとんどない。
 時にはしつけの悪い愛犬、ラブラドールレトリバーの「フラニー」を、紐をはなして遊ばせてやることも出来る。
 
 しかし東京に住むということについて、ただ一つうらやましいことがあるとすれば、それは大きい本屋がたくさんあることだ。
 僕は年に3回ぐらいは東京に行くことがあるのだが(主には芝居を見に)、そのたびに、本屋に行くのが一番の楽しみだし、いいなと思った本はまとめて何冊か買ってくる。
 だいたいいつも行くのは御茶ノ水の三省堂か、新宿の紀伊国屋、このあいだ「ゴンザーゴ」を見に行ったときは、はじめて池袋のジュンク堂へ行った。
 最近の本屋というのは、実にいいですね。
 座って読めるのはもちろん、ジュンク堂には机まで置いてあって、そこで若い学生たちがノートを広げて、なにやら真剣に勉強していた。
 そんなことまで出来るのか、と僕にはちょっとショッキングでした(なんかほんとに田舎もんだな)。
 ああいう本屋があれば、本当に何時間でも、何日でも、退屈せずに過ごせそうである。
 
 今度もし東京に別荘を持つことがあったら、大きな本屋が歩いて五分か10分ぐらいのところに、マンションでも借りたいものだ。

 
 まあ、ありえないけどね。
 
 
今日もいい天気でした。
我が家の庭から。 
空

jailz at 21:31│Comments(0)TrackBack(0)その他 

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