February 06, 2005

オペラ座の怪人

オペラ座の怪人01 最近どんな映画が流行っているかなんてまったく知らなかったのだが、めざましテレビで映画「オペラ座の怪人」の演出家と音楽家のインタビューが紹介されていたらしく、「どうしても見たい」と嫁さんが言うので、ついていった。
 「オペラ座の怪人」はずいぶん昔にビデオで見た記憶があって、ストーリーはだいたい知っていたのだが、映画自体はさほど印象には残っていない。面白かったというよりは、なんだか陰気くさいイメージばかりある。
 なんで今さら『オペラ座の怪人』なんだ?という感じで、ほとんど期待していなかったのだが、しかし実際、これは期待を大きく裏切って、いい映画だった。

 陰気くさいどころか、冒頭から、ぐいぐいと引き込まれてしまう。
 音楽が素晴らしいのは言うまでもなく、映像も、演出もとても素晴らしい。
 1873年の大火で廃墟と化したオペラ座が、ラウル子爵の思いとオーバーラップしつつ、荘厳な音楽と共に1870年代当時の姿を蘇らせ、その色彩を鮮やかに取り戻していくダイナミックなシーンは、物語の始まりとしては本当に印象的なシーンで、映画を見た誰もが息を飲んだのではないだろうか。
 豪華絢爛な美術セットや衣装の数々も半端ではなくて、ていねいに、しっかり時代考証をとって再現されていて、それだけでも見ていて飽きない。
 俳優たちの歌唱力やフルオーケストラで演奏される名曲も美しく、切なく、あるいは戦慄をおびて胸に迫り、圧倒される。
 ヒロインのエミー・ロッサムは美しくて愛らしいし、歌もびっくりするぐらい本当にうまい。

 このアンドリュー・ロイド=ウェーバー作曲のミュージカル「オペラ座の怪人」は1986年にロンドンで幕を開け、ブロードウェイや東京でもロングランし、すでに『キャッツ』の動員記録を塗り替え、ギネスブックにのる見込みだそうである。

 オペラ座の怪人02               
美術や音楽が素晴らしいのはもちろんだが、ここまでこのミュージカルや今回の映画が受け入れられている理由について、特筆すべきなのはやはり、ガストン・ルルーの原作を”美しくも哀しいラブストーリー”として見事に、ハイレベルにまとめている点、そしてかつてはホラー映画の怪人でしかなかったファントムを、その過去の体験を描くことによって等身大の、やむにやまれぬ精神的な痛みを持つ存在として、ヒロイン・クリスティーヌに対する一途で純粋な愛情と共に描いている点にあるのだろう。

 クリスティーヌとファントム、二人の関係がもっとも印象深いシーンとして迫ってくるのは、やはり物語の終盤、”ポイント・オブ・ノー・リターン”をファントムがソロで歌う部分で、これはパンフにもあったけれど、ちょっと他に見当たらないぐらい本当にエロティックで−−精神的にこれほど官能的なシーンというのは、ちょっとすぐには思い当たらない−−開いた口がふさがらないぐらい、引き込まれ、胸を打たれる。
 ファントムの最後も、本当に切なくて、クリスティーヌの複雑な心境と共に、深い余韻が残る。

 しかし昔見世物小屋でひどい目に合わされていたファントムを助けたマダム・ジリーとファントムとの関係、果たしてそこにはどのようなロマンスがあったのか、なかったのか?
 映画の中ではほとんど何も描かれていないのだが、なんだか気になってしょうがない。たぶんみんなも、そうだと思うんだけど。

 とにかく、カップルで観に行くには(一人でもいいけど)、とてもいい映画だと思います。

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この記事へのコメント

1. Posted by 柴ヒポ   February 07, 2005 15:05
オペラ座の怪人は近々見に行こうと思っているところです。
私の場合、オリジナルブランドを立ち上げているので、衣装の勉強したくて見に行きたいって言うのがあるんですけど。いつか舞台衣装を手かげてみたいという野望が有るもんですから(笑)
内容も期待できそうですね。今から楽しみです。
2. Posted by ヒデちゃん   February 07, 2005 18:25
へー、オリジナルブランドですか。すごいなあ。
柴ヒポの作った衣装を着ていつか舞台に立てたら素晴らしいだろうな。
ちゃんとギャラは払うから、ゴージャスで、なんていうかほら、シャツに縦のしわみたいのがいっぱい入ってる奴。ごめん、意味わかんないよね(笑)。でもとにかく元気で頑張っているようでなにより。

柴ヒポとは8年前に舞台を一緒にやって以来、年賀状をやりとりするぐらいで一度も会ってないのに、こうやってネットで会話が出来るというのはとても不思議なものですね。柴ヒポも、あの時はまだ17か18だったのにね。

ずっと実現できずにいるけど、今度飲もう。ただの社交辞令じゃなくて。

「オペラ座」は、今週末あたりもう一回見てもいいなと思うぐらい、良かったですよ。



3. Posted by 柴ヒポ   February 07, 2005 21:36
そうですね。不思議な感じですね〜。右も左もわからないような10代で、凄くいろいろなこともあり…。当時はお世話になりました(笑)
もっと沢山経験を積み重ねたら、是非衣装を手がけさせていただきたいです。
4. Posted by いつか   February 09, 2005 21:43
遅くなって、ごめんなさい<(_ _)>

TB,ありがとうございます。
久々に見入ってしまった映画でした。

説明はうまくできないど・・・
(._.ゞ)ポリポリ
でも、良いものは感じ方も共通点があるんだなぁ〜って思いました。
では、、、
ヾ(*T▽T*)ヾ(*T▽T*)ヾ(*T▽T*) マタネーン♪
5. Posted by タンミノワ   March 13, 2005 23:14
ヒデちゃんさま
 こんばんわ。タンミノワです。

マダム・ジリーとファントムの関係・・気になりますよね。描かれてないだけに・・
私もそのことに焦点を当てた記事を書いておりますので、トラバさせて頂きました。
私はこの物語は、彼女とファントムが出会ったことから始まった・・マダム・ジリーは影の主役、と考えています。

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